不良アパレル商品に関するリコールデータの閲覧
欠陥が判明した製品を、法令によったり製造者や販売者の自主的な判断で公表し、製品を回収市返金したり、無償修理したりすることをリコールと言います。自動車などでは、多大な費用を要し企業の存続にかかわることもあります。
衣類・ファッション製品の不適切な品質や表示に関しても回収、返金などの処置についてアパレルメーカーやセレクトショップでその事実を告知しています。しかし、あまり一般には知られていないようです。
これらの告知は、経済産業省、消費者庁、国民生活センター、自治体消費生活行政、民間などのインターネットホームページに掲載されています。実際に、それぞれのホームページを見てみると、自動車や家電製品などが含まれる大量のデータから、衣類に関するデータだけを検索するのは困難です。
そこで、比較的利用しやすい「被服品」という項目を設けている消費者庁リコール情報サイトについて紹介します。
●消費者庁リコール情報
消費者庁のリコール情報は、グーグル検索の場合「消費者庁 リコール」のキーワードでトップに表示されます(http://www.recall.go.jp/)。このサイトの「被服品」という文字をクリックすると、衣類に関するリコール情報が表示されます。
ここには、最新のものから順番に、リコール製品の一覧が表示されています。
この一覧で見たいリコール項目をクリックすると、消費者庁で編集したフォームの詳細情報を見ることができます。
製品ごとのリコール詳細情報
このページでは、上部に商品写真などの図版が掲載されており、図版をクリックすると、図版が拡大されます。その下に、商品名、連絡先、対応方法、対応開始日、対象の特定情報が記載されています。また、連絡先の欄には、メーカーの告知ページのサイトが記述されていることがあり、ここをクリックすると、より詳細な内容を見ることができます。
最新の事例から、数点ここに引用します。
●ネキスト:CONFECT:ヘンプコットンテーラードジャケット(2020年2~3月発売) – 回収
*画像をクリックすると拡大表示されます
商品名 CONFECT
ヘンプコットンテーラードジャケット
連絡先
(株)ネキスト
TEL 03-5785-3908
MAIL info@nestrobe.com
<CONFECTの商品「ヘンプコットンテーラードジャケット」強度調査に伴う回収のお願い>
対応方法
当該商品をお買い求めいただきましたお客様には、商品を一度回収させて頂き、強度について調査をし、良品であることを確認しましたらお客様へご返送させて頂きます。またもし問題がございましたら、ご交換か、ご返金の対応を取らせて頂きます。誠にお手数をおかけ致しますが、ご購入頂いた販売店へお知らせ頂くか、お問い合わせ窓口までご連絡ください。その後、下記住所へ着払いにてお送り頂きますようお願い申し上げます。
〒107-0062 東京都港区南青山6-7-19
グランディール南青山1F
(株)ネキスト 新谷宛
TEL 03-5785-3908
対応開始日 2020年03月24日
対象の特定情報
品番:02201-0012
品名:ヘンプコットンテーラードジャケット
サイズ:全サイズ(3, 4, 5)
カラー:全カラー(#14 ライトグレー, #79ダークネイビー)
定価:税抜 40,000円
備考
2月7日(金)~3月24日(火)に販売させて頂きました、ヘンプコットンテーラードジャケットにつきまして生地の強度に問題があり、破れるおそれがあるものが含まれている可能性が判明
●アダストリア「エアーサーマルナカワタジャケット」(レプシィム各店舗において、2019年10月~2020年2月に販売) – 注意喚起
商品名 エアーサーマルナカワタジャケット
連絡先
株式会社アダストリア
<カスタマーサービス>
TEL :0120-601-162(フリーコール)
受付時間:12:00~17:00(日曜・祝日除く)
<商品に関するお詫びとお知らせ>
対応方法
販売済みの対象商品をご購入されたお客さまには、正しい洗濯表示をお渡しさせていただきます。誠にお手数ではございますが、当該商品をお持ちのお客さまは、レプシィム各店舗または上記の弊社カスタマーサービスまでご連絡をいただきますようお願い申し上げます。
対応開始日 2020年03月02日
対象の特定情報
商品名:エアーサーマルナカワタジャケット
品番 :838788
カラー:ブラック、ブラウン、ベージュ
レプシィム各店舗において、2019年10月23日から2020年2月19日までの間に販売
備考
洗濯表示に誤り
このサイトには、検索サイトがあります。
カテゴリー欄で、「被服品」を選択し、メーカー名やブランド名をキーワード欄に入力します。そして、「検索」をクリックすると、過去に販売された商品のリコール情報の一覧を見ることができます。
クリーニング事故が発生した場合、リコール製品であるかどうかを検索する際、検索すると良いでしょう。ただし、リコール情報を発表している企業は、大手企業が多く、いわゆる「キワモノ」的な中小ファッションメーカーの情報は少ないかもしれません。逆に、リコール情報を提供している企業は比較的に誠意ある対応を行っている企業であるともいえます。