汗成分による脱金属退色と油脂汚れ

カーディガンをクリーニングしたところ、襟周りや袖口の退色が目立つようになりました。  全体の状態を見ると、袖裏の部分の脱色が最も顕著です(写真はハイコントラスト画像処理)。 袖の裏表をブラックライト照射試験してみたところ、強い蛍光反応が現れました。   このことは、この部分に皮脂、汗成分の酸化が発生していることを示します。 0.5%硫酸銅水溶液を、袖口部分に塗ると濃く復色したことから、汗や皮脂に含まれるヒスチジンなどのアミノ酸成分によって、染料の脱金属による退色があったということも確認できました。 襟部分を、他の退色していない部分と比較しながらブラックライト照射試験を行ったところ、退色していない部分よりかすかに蛍光反応がみられます。このことから、首周辺からの汗や皮脂が浸透し、紫外線との複合作用で染料が分解したものと判断されます。 薄く油脂分を付けるとわかるように、油脂汚…





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