接着芯地と表地の不整合

イタリア有名ブランドのカシミヤコートをドライクリーニングしたところ、表生地の表面が波状に形態変化しました。 この製品の表地は、接着芯地によって裏貼りされた状態で製造されています。これは、カシミヤ素材にある程度のコシを与えるための加工であると考えられます。 表生地と裏生地の接着は、サンドイッチ状に接着芯地を挟みこんだ状態で、熱せられた加圧ロールによってプレスし、熱溶融接着を行います。 このような、繊細な繊維の起毛素材の場合、熱によって繊維が影響を受けやすいため、低温でも溶けやすい接着樹脂を使用する必要があります。 事故品の現象は、横波状を呈していますが、これは接着樹脂が剥離した状態を示しています。接着樹脂剥離の原因としては、以下のことが考えられます。 ①接着力がもともと弱く、裾捌き、着用動作などによって接着状態がより弱くなり、洗ったことで芯地が部分剥離した。 ②芯地の縦糸が縮んで…





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