左袖全体に生地がボロボロに傷んでしまった

クリーニング後、特に左袖全体に生地が損傷しました。      損傷の状態を観察すると、すべての損傷部分において、特にタテ糸だけが欠損していることがわかりました。また、生地の顕微鏡観察試験の結果、タテ糸は毛100％、ヨコ糸は麻とポリエステルの混紡糸であることがわかりました。 欠損している繊維の切断面を見ると、獣毛製品に食害を与えるカツオブシ虫などの害虫による切断であると見られます。  　タンパク質繊維である毛（タテ糸）だけが欠損していることから、害虫による虫食いが発生したと考えられます。また、着用中あるいはクリーニング以前においては、切断された繊維の大部分が組織に残留していて見逃してしまったものが、クリーニングによって切断されていた繊維が脱落し、全体の損傷が顕在化したものでしょう。…

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