ズボンの地の目のゆがみ

ズボンの両裾外側に地の目の歪みが発生しています。発生部位は、左右共に両裾から約33cmで外側の後ろ部分です。  外観観察からは、地の目が左右から内側に向かって歪曲していることが、ピンストライプの状態からわかります。表面は、織構造内での糸の乱れが見られますが、目立った毛羽立ちはありません。 生地裏を返してみると、異常部分に激しい毛羽立ちがあります。実体顕微鏡で観察すると、この毛羽立ちは繊維が切断されたものではなく、糸から繊維が引き出された状態であることが分かります。  これは、専門的にはスナッグといわれる現象で、微細な突起物との習慣的な摩擦を繰り返すことによって生地構造から繊維が引き出されるものです。  以上から、この事故はズボンの裏側、裾端から約33センチの部分に常時生地と接触するものがあり、その摩擦が着用行動時に繰り返されたことによって、徐々に生地構造の地の目に歪みが生じたもので…





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