裏コーティング劣化による中綿つぶれ

コートを石油系ドライクリーニングしたところ、中綿がつぶれた状態になりました。 この製品の組成(素材構成)は、毛47%、ポリウレタン31%、ナイロン22%という欧文表記があります。この組成の内、ポリウレタン樹脂は、中綿と表地を接着する接着剤として使用されているものであると見られます。  特に襟部分では、シミ状の汚染が見られますが、実体顕微鏡観察によると汚染物質が付着した状態が見られます。襟周りと接触する皮膚の皮脂が浸透すると、ポリウレタン樹脂の分解が進行するという報告があります(ATTSレポート)。 事故発生後1カ月程度経過した現在も、石油系ドライクリーニング溶剤臭が強く、ポリウレタン樹脂に多量に溶剤が吸収されている状態であるといえます。また、生地状態を透過光によって観察すると生地裏に塗布されたポリウレタン樹脂が溶解している状態が見られます。  以上から、この事故は裏面にコーティング…





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