絹羽二重の着用による目寄れ

シルクブラウスの肩及び脇部分に損傷が見られました。  この製品の生地は、撚りの無い絹糸(無撚糸)を平織りにしたいわゆる羽二重です。 この生地の場合よりソフトな風合いを出すために、一般の羽二重よりも隙間の多い粗い織構造になっています。 事故部分は、糸が切れたり引きつったりといった損傷ではなく、糸が動くことによって粗と密が極端になっています。この結果、糸が動いて空いてしまった部分は、穴開きのように見えます。これは、一般に「目寄れ」といわれる現象です。  この生地の場合は、以下のような要因から目寄れが発生しやすいものであるといえます。 ①無撚糸織物であることから、撚糸に比較して摩擦抵抗が低く、糸が滑りやすい。 ②隙間が多い粗い構造であることから、糸が動きやすく偏りやすい。 ③脇の下など湿摩擦が繰り返される部分では、着用動作によって糸が左右に揉まれることから、糸が左右に分かれやすくな…





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