ツイードジャケットの油脂の脱落

消費者より、婦人ジャケットをクリーニング後に風合いが変化したという申し出がありました。 風合いの変化については、官能の問題であり原布との接触比較ができないことから判定のしようがありません。  しかし、この羊毛(ラムウール)生地はツィードタイプのもので、紳士背広などに使用されている梳毛タイプのものに比較して、糸が太くごわつき感が発生しやすいものであるといえます。また、ツィードの特徴として、ウール本来のラノリン油脂を比較的多く残してあることによって、ソフトな風合いにしてあるものがあります。 この事例の場合、裏地(絹)と表地の状態を比較すると大きな収縮の形跡は見られず、水処理などによるフェルト化収縮は発生していないといえます。このことから、風合いが変化したというのであれば、ドライクリーニングによるラノリン油脂の脱落であると推測されます。  通常のドライクリーニングによって、ラノリン油脂が…





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