20年着用したズボンの損傷

紳士ズボンをクリーニング後、ポケット口、裾に損傷、ポケット大腿部前部分に黄変が見られました。  損傷については、両ポケット口及び両裾部分に発生しています。ポケット口については、特に右側が顕著です。 羊毛繊維の損傷については、その切断面の状態によって、以下のようにその原因が特定できます。 ①虫食い。②引っかけ。③摩擦。④焦げ。 この製品のポケット口の部分を、実体顕微鏡によって観察すると、写真のように繊維の先端が分裂している状態が多く見られました。  このことから、長期間の軽微な摩擦が繰り返されたことにより、毛繊維が摩耗し、洗浄工程に耐えられず損傷に至ったものであると判定されます。また、周辺の糸がほぐれているのは、洗浄以前に損傷原因があり、洗浄中に糸がほぐれたことを意味しています。 洗浄前は、繊維が切断された状態であっても、織構造の中に組み込まれた状態にあることから、損傷状態が確認…





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