綿ニット部分のカーリング
イタリア高級ブランドのカーディガンをドライクリーニングしたところ、身頃が縮み、袖が伸びました。 この製品は、前身頃部分は絹100%、後見頃及び前立て部分は綿ニットが使用されています。 特に前立てのテープ状の綿ニットの収縮が激しく、ボタンを外すと生地が反り返るカーリング現象を起こします。また、前立ての綿ニットが収縮したために、身頃の絹布帛がひだ状になっています。カーリングは、熱セット性の低い綿、麻、レーヨンの表裏の構造が異なるニット製品に発生しやすいものです。 この製品の場合、綿ニットと絹織物という極端に性質の異なる構造の生地を組み合わせたことから、一般的なドライクリーニング工程のモミ作用によって、伸縮の差が生じ変形したものであると見られます。 溶解する汚れ成分の他、一般にホコリなどの不溶性汚染成分が、繊維間に絡まっているために、洗浄工程においてはある程度の機械力によって不溶性汚…
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