見逃しがちな摩耗による毛羽立ち
●受付時には目立たない摩耗 受け付けの際、「着ジワがあるな」と何の気なしに見ていたものが、仕上がって来ると、シワだった部分が白っぽく脱色したように見えることがあります。特に気をつけたい素材は、絹、綿、麻、テンセルといった素材で、特に白っぽさが目立つ濃色の製品は注意が必要です。 上の写真は、絹100%の結び目(ノット)の部分ですが、クリーニングしたら白く色抜けしているとお客様からお申し出がありました。しかし、この部分を顕微鏡で見てみると、色が抜けているのではなく毛羽だっているということが分かりました。 絹、綿、麻、テンセルは、湿度のある状態で摩擦を繰り返すと細かい繊維自身が、より細かく分裂してしまうという性質があります(分繊化=ぶんせんか)。絹の繊維の直径は、100分の1ミリ程度ですから。この繊維がさらに細かく分裂したら、人の目ではとても見ることができません。白く見えるのは細かい繊…
この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)
また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。