事故傾向から考えるクリーニング業態の在り方

1.個別から規格サービスへの変遷 クリーニング産業は、フロックコートのようなフォーマルなシルエットとシルクやウールなどの高級素材を洗浄することを目的として誕生した。このことに関しては、ジョリー・ベランやトーマス・ジェニングスによるドライクリーニングの発明のエピソードについてふれた(2011年冬号)。 しかし、20世紀末のクリーニング産業は、装置産業化し、標準化された工程によって、規程料金で洗浄商品を販売する生活衛生のための規格サービスとなっている。 この形態は、高度経済成長と共に1970年代に完成したものであるが、それまで右肩上がりのクリーニング産業は1992年を境に急激に衰退し始めた。その産業スケールは、絶頂時の1992年に約8,200億円であったものが2011年予測としては、3,700億円程度に落ち込むと見られている。その衰退速度はなお加速し続けており、このままでは数年のうちに存…





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