バッテリー液の付着による綿の損傷

ワイシャツをランドリーした後に、左袖に生地が薄くなっている部分が見られました。 同様の現象は、左袖のほかに襟左後にも見られます。ともに曲面状に広がり、周辺が段階的に薄くなっていることから液体による影響であると見られます。特に、襟裏の損 キズは折山の外側だけにあり、折山部分でとどまっていることから、襟が折れている状態で、右後方斜め上から液が付着したものだということがわかります。 損傷部分を顕微鏡観察すると、正常部分に比較して極端に糸が細くなっています。組成表示はありませんが、繊維の外観から、この生地の糸はポリエステルと綿の混紡品であり、損傷部分では、綿繊維が脱落し、ポリエステル繊維だけが残っていることがわかります。 ポリエステル繊維に影響を与えず、綿繊維を溶解する液体としては硫酸または酸化銅アンモニア溶液があります。硫酸は、車やバイク、船舶などに使用されるバッテリー液として35%程度の…





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