ファスナーの銅金属イオンによる退色

婦人ブルゾンをクリーニングし、約1年後に取り出したところ、ファスナー隠し前建て部分に帯状の退色が見られました。     含金タイプの反応染料の場合、金属特に銅イオンと反応染料が接触すると、ほとんどの場合に色が暗く深くなる方向に変化します。 反応染料の種類によっては、赤味に薄くなるのが特徴です。務歯の金属に接している箇所やファスナーの開閉時の摩耗で生じた銅を含む微粉の付着によって、金属イオンが発生し、湿気によって染料の分子が繊維から離れ金属イオンと結合することによって、脱色したものと考えられます。この含金タイプの反応染料の一般の金属による変色は、シュウ酸やE.D.T.Aによる処理である程度回復出来るのに対して、この種の変色は変化が認められないようです。 変色の詳細なメカニズムは不明ですが、湿潤状態で再現されやすいことから務歯から遊離した銅イオンと染料とが反応して生じた変色であ…





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