起毛素材製品の光沢変化
起毛素材のワンピースをクリーニングしたところ、前身頃裾部分に円形の光沢変化部分が見られました。 円状の光沢変化部分は、見る角度によって変化し、光沢に見える逆方向から見ると逆に周辺より暗く見えます。これは、変色ではなく起毛素材のパイルの方向が、この部分だけ違っているということを意味します。 光沢の異なる部分を、顕微鏡で観察したところ、他の正常な部分に比べて、アセテート繊維のパイル(毛羽)が斜めに倒れていることがわかりました。 この状態は、ブラッシング等では修整できず、この形状に固定されています。 組成(素材)表示が無く、生地を切り取る試験ができないことから、パイル素材の方向が変わる可能性について素材別に検討するとするなら、以下のようなことが考えられます。 このような光沢のあるベルベット調のパイル素材として一般的に使用されているのは、半合成繊維のアセテート、再生繊維のレーヨン…
この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)
また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。