洗浄剤による綿製品の変退色
スラックスをドライクリーニングしたところ、腰後部分の表地に黄変及び脱色が見られました。 ケアラベルに組成表示はありませんが、顕微鏡観察によって、綿素材の製品であることを確認しました。 染料は反応染料を使用しているものと考えられます。脱色の状態が、周辺に輪ドリが無いことから、染料の分解によるものであると判断できます。 反応染料の分解脱色は、次亜塩素酸ナトリウム等の薬品によって起こります。次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系漂白剤の他、カビ取り剤（商品名カビキラーなど）、トイレ用洗浄剤（商品名トイレハイターなど）の主成分です。 このような強い脱色効果は、原液として使用されるカビ取り剤やトイレ用洗浄剤による事例が多く、特に腰裏の表地ということから、消費者が洋式の公衆トイレなどで、洗浄直後に便器に残っていた洗浄剤を付着させたことによって脱色したという場合も考えられます。 また、加熱…
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