ジャケットの引っ掛け傷

婦人ジャケットをクリーニング後、右肩に損傷が見られました。 損傷部分を顕微鏡で観察すると、虫害の特徴的な切断面は見当たりません。また、素材がトリアセテート85%、ポリエステル15%ということからも、虫害の可能性は考えにくいといえます。 切断面を見ると、繊維に一部チヂレが発生していることなどから、糸が引きちぎられるような形状で切断されています。 また、右肩の損傷は肩山前から斜め後に向かって、連続的に発生していることから、何らかの突起物が、引っ掛けるようにして糸を切ったものであると判定されます。 この事故が、着用中かクリーニング作業工程中のいずれの段階で発生したのかについては判断できません。 ただ、切断された糸が、解(ほぐ)れているように見られます。糸が解れて毛羽だった状態になるのは、切断後モミ作用を加えられた可能性が高いといえます。このこ…





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