保管中のガス退色
ズボンをクリーニング後、保管しておき、着用しようとして出したら左太もも部分が退色していました。 ズボンの退色は、折り目を境にして明確に現象が発生していることが分かります。 また右部分にも、線状に退色が発生しています。 この製品の素材組成は、表示からポリエステル40%、トリアセテート33%、レーヨン22%、ポリウレタン5%となっています。 退色部を実体顕微鏡で観察すると、この退色は、特定の繊維に顕著に退色が発生していることは分かります。 繊維製品の退色事故には、さまざまな原因が考えられますが、この事例の場合、面状に発生している状態から、液体などによる影響ではなく光やガスなどの影響によるものであると見られます。 特に、組成の内にあるトリアセテートについては、NOx(酸化窒素ガス)の影響を受けると退色するという性質があります。 ガス退色は、外部から排気ガスなどの汚染ガスに接触し…
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