綿ジャケットの光退色

綿ジャケットをクリーニング後、ピンクに近い色であったが全体に退色しています。  襟裏の色が本来の色ということで、襟裏を返して観察すると、上襟、下襟(ラペル)に覆い隠された部分が濃色となっており、肩、袖部分が淡色となっていることが分かります。また、裾部分を返して、表部分と比較すると裾裏が濃く、表が淡い色になっていることが分かります。  この表地は、表示は切除されていますが、植物系繊維であり、染色に当たっては反応染料が使用されているものと見られます。一般に染料は紫外線によって徐々に退色する傾向にあり、複合染料であれば、赤や青などの特定の染料が光退色し変色することになります。特に綿素材などに使用される反応染料は、紫外線による退色が目立ちやすいものであるといえます。 光にさらされる部分だけが退色しているという現象は、全体を処理する洗浄工程で発生することはあり得ません。  洗浄後、光のあたる…





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