金属繊維の切断による損傷

婦人ジャケットをクリーニング後、裏地の両脇に損傷が発生しました。  損傷部分を詳細に観察すると、ヨコ糸には損傷は見られず、タテ糸が消失したことによる損傷であることが分かります。 このような損傷は、突発的な強い摩擦や、切り傷、引き裂きで発生することは無く、左右の動きによる長期間の摩擦を繰り返すことによって発生するものであるといえます。 突発的な強い力による摩擦であれば、タテ糸だけでなく、ヨコ糸にも影響が現れ、切り傷、引き裂きであれば、繊維が消失することはありません。また、発生部位からも、筒袖の縫製部分であり、着脱時、腕の運動時に最も影響を受けやすい部分であり、左右同時に同様の損傷が発生していることも、着用による影響が考えられます。  また、この製品の表地はポリエステル90%、金属繊維(ステンレススチールと見られる)10%の織物であり、損傷部分にあたる表地を実体顕微鏡で観察したところ、…





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