綿ジャケットのガス退色

ジャケットの左肩から袖の外側、裾部分が変色しています。 　この素材は綿100％で、染料は反応染料によるものと見られます。この現象は、左肩から袖の外側、裾部分に発生しており、ラペル襟を返した元の色と比較しても、ラペル周辺は退色していないことから、光退色によるものではありません。これは、典型的なガス退色という現象です。   　ガス退色は、外部から排気ガスなどの汚染ガスに接触した側だけに面状に影響が表れるという特徴があります。自動車などの排気ガスとして排出される酸化窒素ガス（ＮＯｘ）は、綿素材に使用される反応染料に影響を与え酸化退色させます。また、ガス退色の条件として、湿度の影響も挙げられます。ポリ袋に入れたまま保管していると繊維内部の蒸気が、徐々に表面に移動しポリ袋との接点に凝縮する傾向があります。また、酸化窒素ガスは、ポリ袋を透過する性質があります。 発生場所に…

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