ピーチスキン加工の摩耗による変化

  ジャケットを昨年クリーニング後、今秋取り出したところ、見覚えのないシミが見られました。  この製品は、分繊化しやすいテンセル繊維を起毛したピーチスキン加工(エメリーペーパー=紙ヤスリで繊維の一部を削って起毛する加工方法)が施されています。  同系統の濃色化ですので、起毛製品の濡れ効果が予想されましたが、水溶性、油溶性いずれの処理でも変化は見られませんでした。  実体顕微鏡で、正常部分と濃色化部分を比較観察したところ、濃色化部分では分繊化された微細繊維が脱落していることがわかりました。  微細繊維の毛羽が脱落したことによって、光の乱反射が減少し、暗く濃色化したものです。  保管中に発生したということであれば、クローゼットの一部が開閉時に常時接触する状態にあったなど、軽微な接触が繰り返されたことによる摩耗脱落であると推定されます。  毛羽立ちを復元させるためには、再度エメリー加…





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