金属繊維生地の摩耗

メンズダウンジャケットをドライクリーニング後、約半年間ポリカバーをかけたまま保管しました。着用時に前見頃両脇、両袖口、ポケット口に損傷が見られました。この製品には金属繊維織込み生地が使用されています。  この製品の損傷については、その発生部位が、両脇、両袖口、両ポケット口、両前見頃に対象に発生していることに特徴があります。 このうち、両脇、両袖口、両ポケット口は、着用行動時に摩擦や屈曲が繰り返し発生する部位であるといえます。また、損傷部分は、正常部分に比較して繊維の起毛が見られ、習慣的な摩擦の影響が見られます。全体にち密な合成繊維の織構造からは、このような毛羽立ちが発生しにくいといえますが、損傷部分を実体顕微鏡で観察すると、緯(よこ)糸に使用されている金属繊維が断裂し、欠損している状態が見られます。横方向に織り込まれていた金属繊維が欠損したことによって、経(たて)糸が浮き上がり、生地表…





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