綿100%ワイシャツの金属触媒による損傷

ランドリー(水洗)したところ、同一顧客のドレスシャツ7点が、同様に首周りの部分の生地が破損しました。 特定着用者の製品に限って、首周りという特定の部分に事故が発生したこと、事故製品の全てが綿100%との製品であるということに、この事故の特殊性があります。 この製品の破損状況は、繊維が脱落し、穴開きが発生しています。このため、引裂きや破れによる損傷ではないことがわかります。 綿繊維が、穴が開くほど破損する原因としては、強酸(バッテリー液=硫酸)等による植物繊維素(セルロース)の分解が考えられますが、事故発生部位からして考えにくいものといえます。 このクリーニング工場のランドリー工程では、一般に酸素系漂白剤が使用されていますが、被洗物に金属が含まれている場合、金属が触媒となって植物繊維素の酸化作用が過激なものとなり、分解することがあります。このことから、セルロース繊維の酸化傷害を判定す…





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