プロミックス繊維の虫害による損傷

ドライクリーニング後、婦人ニットジャケットの前身頃に数箇所の損傷が発生しました。 実体顕微鏡の観察では、以下の点が注目されます。①穴開き周辺に硬化や変色等の変化が見られない。②切断された繊維の先端に焦げによる蛋白質の炭化や溶解による乱れが見られない。以上の2点から薬品及び熱による穴開きではないと判断されます。③穴開き部分の繊維が消失している。切りキズや引っ掛けキズの場合、繊維の切断はあるが、消失はないので、引っ掛けなどによる切り傷ではないと判断されます。④一本一本の微細な繊維が不規則に切られている。⑤切断面に特徴的な虫害歯形が見られる(顕微鏡写真円内)。 また、プロミックス66%と毛28%素材(共にタンパク質繊維)の混紡であることからも、虫食いによる穴開きと判断できます。虫は繊維を食害しても、繊維を切断した状態のまま生地の上に残すため、洗う前は生地構造上に、屑状になった繊維が残っていま…





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