顔料プリント柄のドライクリーニングによる退色

白地に濃色プリントの婦人コートを、石油系溶剤ドライクリーニングを行ったところ、顧客から全体にプリント部分が退色したとの申し出がありました。 この製品には国内法で定められた品質表示がありません。JISの縫い付け表示の無い製品は国内での市販はできない(家庭用品品質表示法)ため、消費者が直接海外で購入したものと思われます。 企画製造者あるいは販売者が表示すべき日本工業規格取扱い表示がありませんが、ISO表示ではパークロルエチレン、石油系溶剤ともに使用可能となっています。 このプリントについてNメチル2ピロリドン試験したところ、写真のように色が溶け出しました。また、顕微鏡で色素の状態を確認します。このことからこのプリントは顔料(ピグメント)によるもので、不溶性で不透明な色素を樹脂剤に練りこんだ状態で、生地にプリントしたものであることが判明します。 一般染料の場合、繊維分子と共有結合などによ…





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