金属製ドットボタンによる損傷

ダウンコートをクリーニング後、前立ての最上部のドットボタンの部分に損傷が発生しました。 損傷部分を詳細に観察すると、タテ糸には損傷は見られず、ヨコ糸が消失したことによる損傷であることが分かります。 このような一方の糸だけが消失する損傷は、突発的な強い摩擦や、切り傷、引き裂きで発生することは無く、動きによる長期間の摩擦を繰り返すことによって発生するものであるといえます。 突発的な強い力による摩擦であれば、ヨコ糸だけでなく、タテ糸にも影響が現れ、切り傷、引き裂きであれば、繊維が消失することはありません。 また、発生部位からも、襟にあたる部分であり、着脱時、着用行動時に最も影響を受けやすい部分であるといえます。  この部分は、ドットボタンのソケット部を固定する金具が裏側から直接当たる部分であり、損傷部には金具が露出しています。また、次のドットボタンの同様の位置を顕微鏡観察すると…





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