絹生地のカビと虫害による損傷
婦人コトをクリーニング後、シミのあった部分に損傷が見られました。その他にも、袖、裾、その他にピンホール状の穴開きが見られました。 損傷は、後ろ裾スリット横の部分が最も大きく、その他の袖、裾、右ポケット下あたりに直径1mm以下のピンホール状の穴が開いています。 外観上、後ろスリット横の部分は、上から下に流れる線状のシミの上にあり、また損傷の状態も、他のピンホール状の穴開きとは異質なものに見えます。 スリット横部分をブラックライト照射試験（紫外線による蛍光反応試験）によって観察すると、線状のシミに強い蛍光反応がある他、その周囲に粉末状の蛍光反応が点在しています（次頁写真参照）。特に損傷部分では黄褐色の蛍光があります。 これらの蛍光は、分解したアミノ酸を含む物質によるものであるといえます。特に粉末状の蛍光については、液体由来のものでは毛細管現象によって絹繊維に浸透して広がる性質が…
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