パークロ溶剤中毒による昭和の悲劇

ドライクリーニングは、油脂溶解力のある溶剤によって、ウールやシルクなどの水によって変形する繊維製品を洗浄する技術として、19世紀の初めに発明された技術です。溶剤に油脂溶解力があるということは、油脂によって肉体を構成している人体にとっても、影響するということです。このことから、ドライクリーニングは、その作業者にとって健康管理に重要な配慮が必要であるといえます。 現在日本で最も多く使用されている溶剤は、石油系溶剤であり、その労働環境上の許容濃度は500ppmとされています。 厳しい規制を受けながらも、欧米での主要ドライ溶剤として使用されているパークロルエチレン(テトラクロロエチレン)は、石油系溶剤の許容度の10分の1である50ppmとされており、大気中に溶剤蒸気が充満すると、身体に危険な影響を及ぼします。 ●パークロ溶剤による死亡事故 日本では昭和40~50年代に、不燃性で油脂溶解…





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