熱・焼け焦げによる損傷

(1)素材による熱の影響 繊維素材に限らず、あらゆる物質は熱の影響を受けて化学変化を起こします。 天然繊維と再生繊維のほとんどは、燃焼して炭化しますが、合成繊維の多くは、燃焼する以前に溶融するという性質があります。このため、アイロン(高温180~210℃-JISL0217)やタバコ(600~900℃)、ストーブ表面(200~300℃)などの熱源による影響には素材によってそれぞれの特徴的な現象が起きます。 ①毛繊維の焦げによる損傷 羊毛の発火点は、他の繊維に比較して高いため、アイロンやストーブによる熱損傷は起きにくいといえます。かつては火事場羽織など防炎衣として使用されていました。日常の中で熱損傷が発生する最も高い可能性は、タバコによる焼け焦げであるといえます。 毛製品は、高熱を受けると炭化するため硬化し、炭化が進むともろくなり、洗浄などの揉み作用によって炭化が進ん…





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