含浸加工樹脂の溶解

綿70%、ポリエステル25%、ポリウレタン5%という組成表示のコートをドライクリーニングしたところ、表地の表面が鮮明な赤に変色しました。受付時には、全体が砂ぼこりで汚れているように見えました。実はこれがこの製品の特徴でした。  バックライトで観察すると、濃色部分が透過して淡色部分に比較して明るく見えます。  また、生地の表面を実体顕微鏡で観察すると、生地全体が樹脂で覆われていることがわかります。顕微鏡観察から推定すると、綿生地をポリウレタン溶液の中に浸漬して、樹脂を生地に沁み込ませた含浸(がんしん)加工とみられます。 実体顕微鏡で濃色と淡色部分を比較観察すると、淡色部分に比較して濃色部分の樹脂が極端に減少していることがわかります。  生地に含浸されているポリウレタン樹脂は、湿気や紫外線の影響を受けて、徐々に劣化する加水分解という性質があります。繊維製品品質管理上は、一般に3年程度が…





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