ルーブル美術館に見たプリーツの起源

プリーツは、最も歴史ある繊維製品の加工です。古代エジプトの壁画やギリシア彫刻などでも、身にまとった布にプリーツ加工が施されているものが多くあります。 歴史上最古のプリーツ加工の衣類は、パリのルーブル美術館に展示されています。これは、ナイル河沿岸の古代都市アシュートの墓地から発見されたもので、約4000年前のものとされています。 ほぼ完全な形で発掘されたこのチュニックの素材は麻(亜麻)で、ヨコ方向のプリーツが掛けられています。よほどの強度が無ければ、着用によって提灯のように伸び切ってしまいそうですが、形態強度の強い麻であることで、このプリーツを維持できたのだろうと考えられます。 勿論、水洗いは不可能です。日常的に着用するものではなく、何らかの儀式の際に着用する特別なものだったのでしょう。 プリーツの加工技術に詳しい田中康三氏(元井上プリーツ㈱開発室長)によれば「亜麻のプリー…





この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)

また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。

新規メンバー登録

ログインはこちら