カウンターはクリーニングのフロント

㈱オフィス毛利 代表 毛利春雄

 カウンターを語るには、お客様をお迎えする「掃除」「作業のための整理・整頓」「服装」「ディスプレイ」「挨拶」「検品」「レジ操作」「商品発送・受け入れ」「顧客管理」等があげられます。以下、参考写真参照下さい。 いろいろな作業があるのですが、、検品、点数コントロール、発送・納品の伝票、加工指示等について、工場のためにしているような様子がうかがえ、作業に積極性が足りない点が問題となるように感じられます。

 写真1 すっきりとしたカウンター 

写真2 整理されている備品

写真3 きれいに並べられた商品ストック

写真4 ハロウィンのディスプレイ

 これらの中、今回は特に商品の取り扱いについて考えてみたいと思います。 クリーニングであれ、テキスタイルケアであれ、お客様とのお預かりの衣服についてコミュニケーションを取るのは〔カウンター〕なのです。

しかし、現在のカウンターでの実際はお寒い限りです。実際のカウンターでの仕事・時間を分析しますと、2/3弱が検品、1/3弱がレジ操作です。これに、少々の時間が挨拶、伝達事項として当てられています。 従って、実際にお客様がお持ちになる商品について、検討、相談などをなされることは、お客さまから「このシミ・・・」「ボタンが落ちているので・・・・」と声をかけられたとき以外は、ほとんどしていない状態です。 また、この大半の時間を要している「検品」は、クリーニングが後々仕上がってからクレームが出ないようにと、言い訳の材料を集めているように聞こえるのです。お客様からは「好きで汚したんじゃないのよ(そんなにジロジロ見ないで)」と、声が上がりそうな様子なのです。 検品は必要なのですが、必ずしもカウンター(お客様の目の前)で行わなくても、お客様の了解を得て後で行うようにすると、お客様との対面時間(コミュニケーション)が作れることになるのです。実際このようにされており、しかし。クレームのほとんど発生しない会社もあるのです。 検品・取り扱い方法の相談が必要な「難洗衣料」をも対象と考える、テキスタイルケア業と「とにかくきれいにしてよ」というクリーニング業では異なった手順が可能なのです。

このことを含め、カウンターの仕事を今一度考えて見ませんか。

1.工場を動かしているのはカウンター

カウンターとは、以下の要項を満たしながら、なお、お客様と接客・コミュニケーションを図る時間・方法を作らなければならないのです。

①検品

検品は工場のためにおこなうのではありません。お客様のために行うのです。シミの発見は工場に確実な作業を促すために行われるのであり、シミ・キズの見落としは(確認⇔返品)などの無駄な労力を使うことになります。

②商品入荷コントロール 工場の作業限界を越えないように取られている処置ですが、多くの方が「工場の要請でなされている」と感じているようです。しかし、工場が作業限界をこえるということは、商品が時間通りに出来てこない、従って「お客様に迷惑をかける」「お店は言い訳をする」ことになるのです。すなわち、お店自身の問題であり、お客様のために取られる処置なのです。 ③補助タック 取り付け位置は、作業指示なのです。店舗(お客様の要望)と工場の大切な作業伝達の方法なのです。 先に述べたように、検品をカウンターでしないという方法をとれば、残りの項目に適切な手段方法を考えれば、さらに有意義な時間が生み出せることになります。

2.「納期のお約束」という引き取り日の確約

私は「点数コントロール」と称していますが、「納期お約束システム」「急ぎま洗濯コース」「短期保管コース」といろいろと呼ばれて実施されています。

以下に簡単に紹介します。

①点数コントロールシステム

お客様の次回来店日(商品引き取り日)に合わせて、工場に商品を送り出す。

②急ぎませんたくコース

納期を1週間以上いただき、その間に商品平均化して工場に商品を送り出す。

③短期保管

ゆっくりコースとして、お預かりした商品を一定期間工場で保管をし、工場に処理能力が出来たときに処理をする。

◆点数コントロールの方法

 

 来客順にお持ちになった商品(お客様)    引き取り日順に並べ替える

 

  急ぎませんたくコース

短期保管コース

 結果、店舗では曜日によって大きく異なる荷状態が、工場へは少し平均化して入荷されることになります。データはオフィス街にある店舗が多く、これらの店が日地曜日が休みのため工場もこれに連動して、日曜日が特に少ない点数となっています。

点数コントロールの推移

3.入出荷伝票(工場入荷、店舗納品)

未だに、店舗から工場への商品の移動に「伝票がない」という多くの例に、驚かされます。いったい、どこの世界に伝票がない状態で商品の移送をすることが許されるのでしょうか。 まして上記のように、商品が出荷順にコントロールされるため、タグ番号がランダムになるのです。どの商品が送られたのか明確でないと、納品も不正確になるのです。

入出荷伝票のフローチャート

入出荷伝票の作成(店舗→工場)

 入荷チェック(工場)  

納品書(工場→店舗)

4.検品

ポケットの中の忘れもの、シミ、キズ、ほころびの発見、ボタンの確認等々を商品をたたむような手順で行います。

何よりも、おきゃくさまのため、工場のため、自分自身のためと確実に行うようにして下さい。 手順は、誰がやっても同じ結果が得られるようにマニュアルに定めて行って下さい。事故・クレームの大部分はこれによって防ぐことが出来ます。 以下、上着を例に述べてみます(ポケットの中はお客様の前で確認済みです) 。

全体を確認する

平らに置きボタン、シミ等を確認   

袖口・ボタンを確認

裾・背中を確認

5.タッグの取り付け位置と取り付

タッグは商品とお客様(伝票)とをつなぐ大切なモノです。ただしい位置にただしい方法で取り付けて下さい。

タッグの取り付け位置は、商品アイテムに応じて決まっています。また、作業方法の指示、整理の能率などに影響します。 以下、いくつかの例を期しますので、参考にして下さい。

  

上着タック取り付け位置とシミ抜きカードの付け方

  補助タッグは、標準タッグに挟むように指示・加工が見えるように取り付けて下さい。

 

補助タッグの取り付け方法

 ブラウス、セーターなどで織りネームの無いものは、所定の安全ピンを取り付けこれにタッグを付けて下さい。一度使用した安全ピンは決して使用しないで下さい。

ブラウス・セーターのタッグ取り付け位置と織りネームのない場合のタッグ取り付け方法

 ズボンのタッグ取り付け位置

 標準・折り目(グリーズライン)ありのズボンは後のベルト通しに、折り目なしのズボンは前面左側のベルト通しに取り付けて下さい。

6.工場はあなた方の指示によって動く

このほかにカウンター業務にはいろいろありますが、お客様がおり、カウンターを経て、工場に至るのです。 全ては、カウンターによって動くのです。決して工場があってお店があるのでは無いのです。工場がズムーズに運営されるのにも大いに影響力があるのです。

カウンターの仕事に、一層の積極性を持って取り組めるように努力して下さい。