ドライ溶剤の歴史と方向

洗浄力から環境保護のドライクリーニングへ  季刊Pandora 2003年秋号収載 著者 住連木 政司  溶剤洗浄の必要性 衣類は、着用しているだけで汚れる。汚れた衣類を、再度継続して着用したいとするなら、この汚れを落とす必要がある。このことから、衣類を洗うという必要が生まれた。 古代の貫頭衣や近代までの一般庶民の日常着などは、清潔であることが第一であったことから、形態、風合い、色相などの劣化に配慮する必要もなく、激しく叩いたり、足で踏んだりするなどして水の力を利用しながら汚れを落とすことができた。 ブリュッセルのプチ・サブロン広場に建つ「洗濯業者像」衣類を叩く棒を持っている  汚れが衣類に固着する最も大きな要素は、油分によるバインディング効果である。油分とは自動車の排気ガスに代表される大気中の油煙や人間の表皮全体を覆っている皮脂などのことである。 油分によって固…





この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)

また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。

新規メンバー登録

ログインはこちら