ブティックと営業提携するマリーンクリーナーズ(サンフランシスコ)
ゴールデンゲートブリッジを渡ったサンフランシスコの対岸、サンラフェルという海辺の町に、マリーンクリーナーズはあります。この地で1951年に開業し、カサーサ家が4代にわたって営業し、アメリカンドライクリーナーズ雑誌等から数々の賞を受賞し、インターネットの消費者投票でも高い評価を得ています。
この事業所は、ダイヤモンド・サーティファイド(最高品質保証といった意味)という、消費者アンケートをもとに、多様なサービス業の業者の評価を行っている組織によって指定されており、この評価を有効に営業に活用しています。上の図版は、ダイヤモンド・サーティファイドのウェッブサイト上でのマリーンクリーナーズの評価で、棒グラフは10段階評価での満足度調査。8が最も多く、総じて8以上の満足度という高評価。円グラフは、再度利用するかという問いに対する回答で、95%以上の消費者が再度利用したいと答えています。
ダイヤモンド・サーティファイのウェッブサイトは、http://www.diamondcertified.org/
この会社は、1工場と3営業店舗、4ルートの外交営業によって、昨年の売り上げは約3億9千万円($3.4 million)を達成しています。ドライブスルー店舗兼工場の敷地面積は、約337坪で、パークロドライクリーニングとランドリー、シーツのラインが組まれています。
アメリカは、発ガン性を問題視されているパークロルエチレンを使用する業者が85%と圧倒的で、社会問題としてもクローズアップされており、特に、カリフォルニア州は、前述のレポートにあるように、2023年の完全廃止に向けて厳しい規制が始まっています。既にタバコの警告表示のように、工場及び店舗の顧客の目につきやすいところに、「この施設で使用されているパークロルエチレンは、カリフォルニア州によって発ガン性物質に指定されています」といった趣旨の表示を義務付けられ、ドライ機も工場内で隔離された部屋に設置されています。
マリーンクリーナーズ店頭に掲示されている発がん物質を使用しているとの店頭警告表示
この会社の、営業面での特徴として、近在のセレクトファッションブティック約40店舗とパートナーシップを持ち、ファッヨン製品の販売時に、マリーンクリーナーズを紹介してもらうようにしていることです。各ブティックには、同社の会社案内や割引クーポンのキットが置かれており、初めての利用者は、2300円($20)相当の無料サービスを受けることができるようになっています。
■ブティックに置かれる営業キットの内容
プライスリスト-背広上下で16.5ドル(1825円) 絹、カシミヤ、レーヨンなどは追加料金となる
プレスだけは25%off、ドライだけは50%off
この企画は、「販売商品ケアプログラム」として、地元のファッションブティックを開発し、経営者及び全従業員の商品を50%OFFで受け付け、毎週1回ルート車で集配しています。店舗顧客からの補修、シミ抜きなどのサービスが人気があり、また、きれいにデザインされた自店クリーニング店舗では全面鏡張りの壁に提携ブティックの案内と商品も展示即売され、同時に店舗イメージを高める効果を発揮しています。