4.ポリエステルの昇華移染

 ポリエステル製品の染色に施される分散染料の特長として、前号では溶剤による溶出について述べましたが、固体から液体という状態を経過せずに、一気に気体になる昇華という性質があります。 物質の三態  この昇華という性質によって、保管中や蒸気仕上げによって染料が昇華し、接触している生地を汚染してしまうことがあります。 表地が白で裏地がポリエステルプリントの製品 重ねた状態で、表地の上からプレスすると、緑系統のuという文字の色と、赤系統のrという文字が表地の裏側に転写してしまいました。分散染料の染色品質評価として、日本工業規格では、JISL0854昇華に関する染色堅牢度試験方法というものが定められていて、メーカーも品質の向上に努める必要がありますが、製造後長時間の間には、徐々に品質が低下すると考えられますから、このような製品のプレス仕上げには配慮が必要であるといえます。…





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