目寄れによる穴あき
(1)目寄れという現象 目寄れという現象は、織組織の中で、摩擦などによって主にタテ糸が動いて寄り集まることです。 タテ糸が動くと、生地のタテ方向に粗密のムラができてしまい、本来糸があった位置に糸が無くなってしまうので穴あきのように見えてしまいます。 (2)目寄れになりやすいフィラメント繊維 繊維には、フィラメント繊維と呼ばれる長繊維があります。長繊維とはほとんど無限に長い繊維で、天然繊維では絹だけですが、化学繊維のほとんどは、工業的に無限に長い繊維を作ることができます。 綿は30ミリメートル前後、羊毛は100ミリメートル程度ですから、生地にするために数百メートルの糸を作る場合は、短い繊維(ステープル)をからませながらねじること(撚糸)によって紡績糸としなければなりません。しかしフィラメント繊維は、それだけで十分な長さがありますから、引きそろえただけで糸にして織…
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