BHTによる黄色物質の固着

婦人コートを長期保管後、主に両袖部分に黄色の変色が発生しました。 このように鮮明な黄色の着色が発生する場合は、店頭や家庭での保管中に発生するものは樹脂フィルム、ベニヤ板、段ボールなどに含まれる酸化防止剤(BHT)と大気汚染ガス(NOx)が反応して黄変物質が生成されることがあります。 この事例の場合、表地に蛍光染料が使われていることから、ブラックライト照射試験で観察したところ、黄変部分が黒い影となり、表面に異物が付着している可能性があります。  この黄変物質は、Nメチル2ピロリドンに溶解する性質があることから、この薬品による試験を実施したところ、薄く黄色の色素が溶出したことを確認しました。  発生の状態から、両袖とも外側に帯状に発生しており、袖口の内側には連続していません。また、右側が特に濃く、肩部分にも薄い黄変物質が付着しています。このことから、右側を扉側にして樹脂フィルムに包装し…





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