保管中のコーティング劣化

 金属的な光沢のテクノ調のコーティングジャケットを、春にドライクリーニングし、秋にクローゼットから取り出したところ、表面の皮膜が破損していました。  これは、ポリウレタン樹脂コーティング品の典型的な経時劣化による損傷です。  この製品は、ポリエステル基布の上にポリウレタン樹脂が膜状に塗られているものです。  ポリウレタン樹脂は、一般には約3年で加水分解という現象を起こし、接着している生地から剥がれたり、破れたりするようになります。欧米では、約8年の耐用期間といわれていますが、高温多湿の日本の気候では、加水分解の進行が過激になるということが知られています。  特に、保管中に通気性が保たれない状態(ポリ袋に入れたまま保管する等)で、保管していると湿気がこもりやすく、加水分解が進行することになります。加水分解とは、樹脂の高分子といわれる鎖状の分子が、湿気に含まれる水素や酸素の分子…





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