毛/ポリエステル混紡品の焼け焦げ

 紳士背広上着をクリーニングした後、左袖後ろ部分に数か所に損傷が発生していました。   この損傷は、外観観察及び顕微鏡観察から、焼け焦げによるものであると判断されます。この製品の表生地は、組成表示のように毛50%、ポリエステル50%の混用製品であり、毛素材は燃焼硬化によって、ポリエステルは熱による溶解によって損傷していることがわかります。  熱源は、毛繊維が炭化していることから毛繊維の炭化点である300℃(ポリエステルの溶融点は260℃)以上のものであるといえます。このことから、最高温度210℃のアイロンである可能性は無いといえます。参考までに、身近な熱源としてのタバコの燃焼温度は、700~800℃です。  また、最も大きい穴明きは表から発生し、押し付ける形で表地を貫通し、ポリエステル100%の裏地を貫通、さらに裏地を貫通するという状態で発生しています。このことから、この部分は押…





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