ポリエステル製品の経時劣化による昇華退色

紳士スーツの上着が、クリーニング後、全体に色ムラが見られました。色相は、同色系統の退色であり、染料の劣化であるといえます。  また退色している部位の特徴として、衿に覆い隠されていた部分が、その形状のままに本来の色と思われる色が残っており、また裏(内)側部分の同じ生地の色もまた、表に比較して濃色が残っていることから、紫外線の影響が大きく関係していると判定されます(写真は画像処理によるハイコントラスト加工をしてあります)。  素材はポリエステル100%であり、使用されている染料は、分散染料ということになります。  分散染料の性質として、繊維内部の染料が熱や光の影響によって徐々に空気中に飛び出してしまう昇華という現象を起こします。  また、この製品の場合、「C-OS1078」という表示様式から平成9年(1997年)以前に製造されたものであることがわかります。 10年…





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