鋭利な刃物で切断された袖口

    半袖ドレスシャツをランドリーから引き取り、消費者が着用としたところ右袖口の損傷に気が付いたと申し出がありました。 この損傷が発生した時点について考察すれば、①切断口の糸にホグレが無いこと、②横糸の飛び出しがほとんど無いことなどから、洗浄後のプレス仕上げ以降に発生したと考えられます。洗濯工程以前に発生していたとすれば、綿繊維が吸水し、糸のトルクが緩んで先端が毛羽立つことになり、切断面も揉みや叩き効果の作用で乱れていることになります。 また、袖口の生地の切断面が、平行していることから、押し切りのような状態で挟み切られたものであると判断されます。生地に歪みが無いことから鋭利な刃物状のものによる切断であるといえます。以上から、この損傷は仕上げ以降に、鋭利な刃物状のものによって挟み切られたものであると判定します。…





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