カビによる綿製品の保管中の変色

 綿100%の婦人スーツを、昨年10月頃石油系溶剤ドライクリーニングを行い、6月に保管から出したところ、斑点状にピンクの変色が発生していました。  ブラックライト照射によって、蛍光発色が退色した斑点部分に一致して現れました。この蛍光色はカビ菌に含まれるアミノ酸によるものであるといえます。また、飛散した粉末状に発生するのは、カビの特徴で、浸透する液体の影響によるものとは明らかに異なるものです。  カビは、一定の湿度と温度などの環境によって特に植物系繊維に発生しやすく、菌糸の成長と共に染料を分解したり、自身の色素を定着させたりします。  この斑点状の変色は、カビ菌による染料の酸化分解作用によるものであり。保管状況においての温度と湿度が高かったといえます。  鮮明にカビの反応があることから、ガス退色、染色状態など他の要因は考えられません。 紫外線照射試験(ブラックライト)で蛍光…





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