地糸切れの縫製品が長期使用後損傷
汗汚れのある毛100％の紳士ドレスシャツを水洗いしたところ、襟、前立てボタンホール横２箇所に損傷が発生しました。 事故状態の外観を観察すると、ボタンホールの縫製部分からヨコ糸だけが断ち切られて飛び出していることによって、損傷が発生していることがわかります。また、ヨコ糸が飛び出した状態で、撚りが完全にほぐれていることから、この損傷が洗濯以前か洗濯工程内の初期に発生していたものと判定されます。また、損傷はボタンホール部分だけでなく、襟裏縫製部にも発生しています。 この現象は一般に「地糸切れ」といわれ、縫製時のミシン針で、基布の糸が断ち切られていることを意味します。原因としては、ミシン針の生地貫通速度が速すぎる、ミシン針が太すぎる、ミシン針の形状が適正でないなどが挙げられています。この事故は、縫製時にヨコ糸が切断に至らない程度の損傷していたものが、着用の繰り返しによって徐々に切れて、最終的に…
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