ニット製品の両脇のフェルト化

サマーセーター(カットソー)の両脇の下に毛羽立ちが発生しました。 この事故の特徴は、両脇の下に対照的に発生している点です。  事故部分は、毛羽立っているだけでなく、硬く厚みが増しています。これは、この編地部分が収縮していることを意味します。この現象は、フェルト化収縮といわれるもので、羊毛などの獣毛繊維が、湿潤状態で摩擦を繰り返されたときに発生するものです。獣毛繊維は、湿気を含むと表面のウロコ状のエピキューティクルが開き、揉まれることによって引っかかりのできた繊維同士が絡み合い縮むという現象です。 ブラックライト照射試験で、事故部分を観察すると、両脇の下部分に蛍光反応が現れます。これは、残留している汗や皮脂に含まれるアミノ酸の蛍光反応です。  これらのことから、この事故は着用中に汗を含んだ状態で、両腕を動かすなどの揉み作用が繰り返されたことにより発生したものであるといえます。 一般…





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