のせ友禅の経時劣化によるベタツキ剥離

振袖をドライクリーニングしたところ、柄部分が粘着性をおび、一部柄が剥離しました。 この製品は、「のせ友禅」という技法によるものです。のせ友禅は、生地の上に顔料や金属粉を接着剤に練りこんで捺染するという技法です。      近年製作されているのせ友禅には、ポリウレタン樹脂が接着剤として使用されていることから、経時劣化による事故が多発しています。 京都市産業技術研究所が発行する『染織ニュース』1994年No.22において、「時限爆弾か?『のせ友禅』の剥離故障増加」として、のせ友禅の経時劣化による問題点が指摘されています。 ポリウレタン樹脂の分解は、空気中の湿気による加水分解や紫外線などが関与していることはすでに各種試験データによって明らかになっており、一般に約3年の寿命ということが定着しています。 加水分解が進行すると、接着性能が低下し、顔料がはがれてきたり、粘性を帯びて溶けや…





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