真鍮ファスナーによる変色

綿のブルゾンを石油系ドライクリーニング後、3ヶ月経過して、袖の帯状の変色と前立てのファスナーに沿ったピンクの線状の変色に気づきました。  1.ファスナーに沿った変色 ファスナーの素材は、真鍮(黄銅)であると見られます。また、製品の生地は綿100%であることから、染料は反応染料である可能性が高いといえます。 反応染料は、真鍮に含まれる銅イオンと反応して変色するという事例が、繊維製品品質管理士会などで報告されています。ポリ袋に入れた状態などの通気性が無く、湿度の高い状態で保管されていた場合発生しやすく、銅イオンが染料と反応して「錯化合物」という赤い色を生成することによって変色します。 この事例も、ファスナーの位置に一致して発生していることから、同様の現象といえます。また、生地に湿気を与え、緑青の無い10円硬貨を押し当てた状態で加熱することによって再現することができる場合もあります。…





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