硫黄残留による脇の下の損傷

ドレスシャツをクリーニングしたところ、右脇部分が損傷し、周辺の生地ももろく破れやすい状態になっていました。   綿など植物系の繊維は、強酸によって脆化します。クリーニング後の状態ですから中和されている可能性もありましたが、リトマス試験紙によるpH試験を行ったところ、pH2程度の酸性反応がありました。 この製品は、現在日本国内ではあまり使用されなくなった硫化染料というものが使用されたものであると考えられます。硫化染料は、日本ではかつて浴衣や半纏などの染色に使用されていました。しかし、このような事故が多く発生するため、現在では使用されなくなりました。一方アジア地域では、濃色を短時間に鮮明に染めることができるという生産性やコストの面から使用されているようで、当研究所でも今年だけで4件の事故事例が報告されています。 硫化染料は、綿素材向きの濃紺や黒などの染料で、染まりやすく発色が鮮…





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