クリーニング後鋭利な刃物で損傷
紳士背広上着をクリーニング後持ち帰り、消費者が着用しようとしたところ、左袖に大きな切り裂きがあることに気付いたと申し出がありました。 切り裂かれた状態を詳細に観察すると、上先端部分は、糸がほつれ、目寄れが発生していることから、強い力が加えられた形跡があります。また、下先端部分は、地の目に沿って裂け、また裂けた部分から数ミリ飛んで、軽く切れた形跡があります。このことから、この傷は、上部に力を加えて切り込み、一気に地の目に沿って切り下ろしたものによるものと判定されます。また、裏地にまったく影響の無いことから、着用時のものではない事もわかります。 顕微鏡で観察すると、切断面が均一で、鋭利な刃物状のものによって、一気に切断されたことがわかります。また、織り構造及び切断された糸の先端に、クリーニング作業の形跡であるホグレた形状が見られないことから、この事故が発生した時点は、クリーニング工程の終了…
この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円／月（税別）
また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。