ヨコ方向に平行な3本の傷

着物をクリーニング後、後身頃裾近くに横方向の筋が見られました。 後身頃の特定の生地に平行に少なくとも3本の筋が見られます。 糸引きなのかスレなのかについては、顕微鏡観察によって、筋部分の繊維が乱れていることから、ヨコ方向に針状のものがスレたことによるキズであると判断できます。 この事故で特徴的なことは、3本のスレキズが、機械的に平行な直線であること、1本の筋は左縫製部分に端を発し、それ以前の他の反生地に渡っていないことです。 縫製位置で、明確にスレキズが途切れていること、おそらく糸を解いた場合、同じ反の縫い代部分にこのキズが続いているものと考えられます。このようなキズの発生は、製品化された後には起こりえないものです。 このことは、このキズが縫製以前に存在していたことを示す決定的な証拠となります。 以上からこの平行なキズは、縫製以前の段階において、鋭利な部分に機械的に接触したこと…





この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)

また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。

新規メンバー登録

ログインはこちら